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今年の夏休みは久々の国外逃亡♪

ワタクシ明日の28日(水)から夏休みでして。で、今年は久しぶりに国外脱出してきまーす! 行先は東南アジア(^^)/

国外脱出するのは2007年のシドニー以来、なんと6年ぶり。それまではほぼ毎年夏休みはどこかしらか海外に行っていたのですが、近年我が家の財政状況が悪化しまして、海外旅行なんて縁が無い生活を送っておったのです。でも、今年の夏休みは海外に行きたい! どーしても行きたい! …とカミサンに訴えたら、最近は温泉も封印するなど節約に励み、今後のハレの日予算もつぎ込んで、何とかカミサンが予算を確保してくれました。えらいぞカミサン(^o^)丿

でね、もともとワタクシはアジアン・リゾート好きなんです。そりゃあハワイは永住したいくらい居心地良くて大好きですし、メキシコのカンクンやニューカレドニアなんかもものすごく楽しかったのですが、やっぱり西洋文化圏内にお邪魔しているような感じがあるじゃないですか。誤解を恐れないでいうと、ちょっと場違いというか(^_^;)

ところがアジアン・リゾートはどこも訪れた瞬間に、日本とのアジアとしての共通のルーツを感じるのですよね。どこか懐かしさを感じるというか。滞在型が多く、西洋式ホテルに比べてホテルの敷地も部屋も広いこともあって、毎日ホテルに籠ってビーチやプールサイドでビールを片手に本を読んでいるだけで、ホント幸せになれます〜。これぞアジアン・ヒーリング(^^♪

コタキナバル
↑ここは2006年に訪れたコタキナバルの「シャングリ・ラ ラサリアリゾート」。オランウータンがかわいかったなぁ。

さて、今回の渡航国はどこだと思いますー? 因みに今まで訪れたことがあるアジアン・リゾートはランカウイ島/ビンタン島/バリ島/コタキナバル(ボルネオ島)くらいですが、今回の旅行先はワタクシ達夫婦にとっては初めて行く国です。辛い物が苦手なワタクシ達夫婦としては、現地の料理に一抹の不安があったので何となく今まで避けていたんですよね。もう国はお分かりでしょう。そう、「微笑みの国」のどこかの島でーす!(*^^)v

帰国日は9月2日(月)。何事もなく無事に帰国できたら、備忘録として旅行記をつらつらとUPしたいと思いますので、宜しくお付き合いのほどお願いいたします(≧▽≦)ノシ


JUGEMテーマ:アジア
Posted by けーすけ | comments(2) trackbacks(0)

日本人として悔しさ溢れる日本へのリスペクト振り 映画「パシフィック・リム」

映画「パシフィック・リム」を、観にいくかどうか散々迷っていまして。だってね、ドでかいロボットの話は「トランスフォーマー」シリーズでもぅお腹いっぱいだし、どうせ怪獣はアメリカ版「GODZILLA」や「クローバー・フィールド」の様に気持ち悪い爬虫類のようなものでしょう。別にこれらの戦いを最新VFXで観られるっていってもそれくらいじゃなぁ… と思っていたのです(-_-)

ところがワタクシのなかにいる「少年」がある日むくっと起き上ってきて、突如行きたい気持ちがMAXに。なにせ怪獣と巨大ロボットのバトルが観られる映画なんて貴重ですよ。しかも監督であるデル・トロさんは日本の怪獣映画が大好き。だったらワタクシの様な日本の怪獣映画ファンにとっても見甲斐がある作品になっているはずです。これは観にいかなければならんでしょ!(言っていることが正反対なワタクシ)

パシフィック・リム 1
パシフィック・リム
チェック:
『ヘルボーイ』シリーズなどの鬼才ギレルモ・デル・トロが放つSFアクション。世界各国を襲撃する謎の巨大生命体を倒すべく、人型巨大兵器イェーガーを操縦するパイロットたちの姿を壮大なスケールで活写する。『ザ・レッジ -12時の死刑台-』のチャーリー・ハナム、『バベル』の菊地凛子、『ヘルボーイ』シリーズのロン・パールマンらが出演。さらに、子役の芦田愛菜がハリウッド作初出演を果たす。最先端VFXを駆使した生命体とのバトル描写に加え、細部まで作り込まれたイェーガーの設定なども見逃せない。
ストーリー:
2013年、突然未知の巨大生命体が太平洋の深海から現われる。それは世界各国の都市を次々と破壊して回り、瞬く間に人類は破滅寸前へと追い込まれてしまう。人類は一致団結して科学や軍事のテクノロジーを結集し、生命体に対抗可能な人型巨大兵器イェーガーの開発に成功する。パイロットとして選ばれた精鋭たちはイェーガーに乗り込んで生命体に立ち向かっていくが、その底知れぬパワーに苦戦を強いられていく。
シネマトゥデイより


う ん 、 や っ ぱ 予 想 ど お り (@_@;)


観終わったあとはホントその言葉しか浮かんできません。内容は特にナッシング。上記の説明の後は、あーなってこーなってあーなります。うん、思っていた通りだった。なにもかもステレオタイプ。変なハナシ、途中でオシッコに行っても話の筋が分からなくなることはまったくありません。途中で席を立つのがイヤなので上映中はビールなどは一切呑みませんが、これだったら呑みながら観た方が楽しかっただろうなぁ(≧▽≦)

パシフィック・リム 4

そもそも設定自体に突っ込みどころ満載ですが、そんなことはデフォルト。ロシアのイェーガーを「チェルノ・アルファ」なんて名付けるあたり、脊椎反射で決めているとしか思えません。こらこらチェルノのパイロットに「原子炉がー! 原子炉がー!」とか叫ばせちゃダメでしょ。中国のイェーガーなんて手が3本あるという不気味さ。「公害がー! 公害がー!」とは別に叫んでいませんでしたケド。案の定この2体はアッチュー間に姿を消しますしね。映画の題名である「パシフィック・リム」とは環太平洋地域のことですが、やはり頼りになるのはアメリカとその同盟国ってことですか。あからさまですな(^_^)

パシフィック・リム 3

まぁこの映画の見どころは、巨大ロボットとKAIJU(怪獣)のプロレス… もといバトル、それだけ。香港などの大都市を舞台に、映画を観るたびに進化していくVFXで描かれた両者の熱いバトルを、ぼーっと眺めているだけでOKの映画です。いやー、映像自体はホントに大したものです。文句無し! KAIJUはメチャ不気味で怖いし、イェーガーのデザインも古典的で楽しめますから。これは絶対外しません。逆に言えば、これらに興味が無い人には全くのダメダメ映画でしかないでしょーけどね(^_^;)

それに芦田愛菜ちゃんの、トム・クルーズ主演「宇宙戦争」のダコタ・ファニングにも負けない熱演には感心させられました。やはり天才子役なのね。それに対して、菊地凜子は何故あんなに日本語が下手なのかしら(゜o゜)

パシフィック・リム 2

しかし日本人として悔しいのは、デル・トロ監督が「この映画は日本へのラブレター」というようにアイデアの殆どが日本の怪獣映画や巨大ロボアニメにあるのに、日本ではなぜ実写化されないのか、ということです。日本にはワタクシがちょっと思いつくだけでも、「マジンガーZ」「グレートマジンガー」「ゲッターロボ」「ゲッターロボG」「UFOロボ グレンダイザー」「勇者ライディーン」など、イェーガーに負けないたくさんの巨大ロボットがいるじゃないですか。これらが実写化されて、力を合わせて敵に立ち向かうなんて、想像しただけでもドキがムネムネですよ!ヽ(^。^)ノ

勇者ライディーン1
↑あーあおーい、そっらっをー♪ 懐かしの「勇者ライディーン」。フェーーード イーーーン!

でも日本で実写化されるアニメと言えば「新造人間キャシャーン」「デビルマン」「科学忍者隊ガッチャマン」「キューティーハニー」「ヤッターマン」など、人間と同じ大きさでしかないヒーロー&ヒロインのアニメばかり。それはそれでもいいけどさ、巨大ロボットアニメだって実写化してちょーだいよ。せっかく良い素材が日本には溢れかえっているのに、あーもったいない! なんてもったいないの! あー悔しいーッщ(゚Д゚щ)


JUGEMテーマ:映画の感想
Posted by けーすけ | comments(0) trackbacks(0)

日本には発想自体が無い様々なトレーラー達に大興奮!

最近の自動車関連のニュース記事でちょっと感心したのが、フランスのベンチャー企業が開発したという、EV車の航続距離を伸ばす電源トレーラー「EPテンダー」ですよ。WebCGによれば「インド製小型車「タタ・ナノ」用の600ccガソリンエンジンでジェネレーターを駆動することにより、最大22kWhの電力をEVに供給する。燃料タンク容量は35リッターで、小型のEVなら約600kmの航続距離を実現できるという。」とのこと(゜o゜)

EPテンダー 1
↑EPテンダー。繋がっているクルマはルノー製EV「ZOE」。なかなかカッチョ良さゲ。
WebCGより

ふーむ、なるほど。さすがトレーラー文化が根付いている欧州の発想ですよね。これなら航続距離がせいぜい100km程度の三菱i-MiEVや日産リーフのユーザーさんでも、安心して遠出ができますがな。普段は家に置いておき、どこかに旅行する時だけ後ろに合体すれば、どこにでも出かけられちゃいますもん。なにせ600kmも走れるんですからね! 災害時にも活用できそうだし(^_^)

まーこういうものが出るとですね、必ずイチャモンをつける人が出るんですよね。旅行なんて滅多に行かないんだからその時はレンタカーを借りれば良いじゃんとか、EVを持っている人は他にもクルマがあるだろ、とか。そりゃあワタクシだって、おそかれはやかれバッテリーの性能が上がって価格が下がりEVの航続距離が200kmになるだろうし、急速充電インフラも整備されるでしょうから、それまでの命かしらとは思います(>_<)

でもEV技術が過渡期にある現在、こういう試行錯誤を繰り返すことによって技術が完成に近づいて行くわけで、それまではあらゆるアイデアを試して良いんじゃないですかね。何より新しい発想に出会うのは楽しいじゃないですか(^^♪

EPテンダー 2
↑中身は如何にも手作り風。EVの先進的なイメージとはまったく違いますね。遮音性が無さそうなので、エンジンかかっているときはやかましいんじゃ。

よし! ワタクシも何か考えよう。そうだ、「EPテンダー」をキャンピングトレーラー内に組み込めば、EVでも楽勝で日本一周ができるじゃんか… という陳腐なことを思いながらネットを見ていたら、陳腐どころじゃない英国製キャンピングトレーラーを発見しちゃって大興奮。ちょっと以下の写真を見てくださいよ。元ネタは2年以上も前の記事なんですけど(≧▽≦)

QTVan 1
↑「QTVan」。目を疑うんですけど。
※ GIGAZINEより

なんとシニアカーで引っ張る一人用キャンピングトレーラー「QTVan」! その発想はなかった。やっぱりシニアカーと言えば足が悪いご年配の方向けの乗り物というイメージ。でも、そりゃあなかにはシニアカーでキャンプに行きたい方だって当然いるでしょう。うんうん、分かります分かります。ワタクシだってこんな状況になっても、多分そう考えると思いますもんねヽ(^。^)ノ

QTVan 2
↑なにせキャンピングトレーラーなんだから、なかにはベッドも19インチのテレビやラジオもあるし、電気ケトルカップなどの紅茶セットなどもあるとのこと。うわおぅ、すっげー優雅! 寝ている人も楽しそう!

ちなみに価格は約75万円となかなかリーズナブル。まぁ日本じゃ絶対売れない方にワタクシの愛車シトロエンC4を賭けてもいいと思いますケド、やっぱり行動に移すことが何より大事ですよね。他にもオートバイ向けキャンピングトレーラーやキャンピング自転車など、ワタクシが思いつくものなんて世界のどなたかがとっくに実現しちゃっていますがな。そういうアイデアを実行に移す皆さんを、ホントに尊敬しちゃいますよ。日本にもトレーラー文化が根付いていけば面白いんだけど、道が狭いのもあって難しいんだろうなー(^_^;)

キャンピング自転車
↑中国の方が作ったというこのキャンピング自転車。重そう! ホントにこげるのかしら?
※ GIGAZINEより


JUGEMテーマ:憧れの車
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一画面で見られる奴らの数は間違いなく映画史上No.1! 映画「ワールド・ウォー Z」

映画「ワールド・ウォー Z」を観に行きました(^^)/

ところで題名の“ワールド・ウォー”というところは分かるのですが、最後の“Z”とは何じゃらほい? ももいろクローバーZの“Z”と同じなのかしら? でも“ワールド・ウォー”と“ももいろクローバー”なんて雰囲気が全く違うし…。うーん何だろ、このZって??


Zombie(ゾンビ)の“Z”ですッщ(゚Д゚щ)


この映画はワタクシが希望してカミサンを半ば無理矢理に連れてきたのですが、ワタクシ実はゾンビの映画を観るのは初めてなのです。強いて言えばマイケル・ジャクソンの「スリラー」PVくらい。やっぱりゾンビに襲われて食いちぎられちゃった人間から、血がブシューブシューと噴き出たりするのかしら。くわばらくわばら(-_-;)

ワールド・ウォーZ 1
ワールド・ウォー Z
チェック:
ベストセラーを記録した、マックス・ブルックスの小説を実写化したパニック大作。人間を凶暴化させる未知のウイルスの感染原因を解き明かそうと、感染者と非感染者の死闘が繰り広げられる世界各地を駆ける元国連捜査官の姿を、息詰まるタッチで活写する。ハリウッドスターのブラッド・ピットが主人公にふんし、製作も兼任。監督は『007/慰めの報酬』などのマーク・フォースター。無数の感染者が群がって生じた巨大人柱が防壁を越えようとするなど、圧倒的映像の数々に息をのむ。
ストーリー:
元国連捜査官のジェリー(ブラッド・ピット)と家族の乗った車が、渋滞にはまっていた。すると、前方で爆発音が聞こえ、トレーラーが無数の車をはじき飛ばしてクラッシュし、パニック状態の群衆が通りになだれ込んでくる。そのただならぬ状態から家族を守ろうと、妻子を連れて逃げるジェリー。やがて、彼は人間を凶暴化させる未知のウイルスが猛スピードかつ世界的規模で感染拡大しているのを知る。そんな中、元国連職員の技能と知識を買われたジェリーは、各国を回ってウイルスの感染原因を突き止めるよう依頼される。
シネマトゥデイより

まるでジェットコースターに乗りこんだら上りもせずにいきなり急降下したかのごとく、冒頭からストーリーが一気に加速します。そしてフィラデルフィアの街中で、何が起こっているのかさっぱり分からないままパニックに巻き込まれるのですが、単なるパニックと違うのに気付くのはしばらく経ってから。ただ単に全員が逃げ惑っているのかと思いきや、実はそうではなかったのですから(*_*)

ワールド・ウォーZ 2

なにしろこの映画のゾンビは、動きが敏捷でビックリ。ワタクシが認識するゾンビの動きは、超酔っ払い親父の様にうにょうにょうぐねぐね動くやつ、両手をピンと伸ばして5秒に一度ずつ前にぴょんと進むやつといったところ(それはキョンシーだろ)。一番動きが軽やかなのは「スリラー」のゾンビですよ。ところがこのゾンビはまるでネコ科の猛獣の如く、次々と人達を襲いまくります。しかも噛まれた人達はたったの12秒でゾンビ化するものだから、そのパンデミックのスピードは恐ろしいものがあります。地球の殆どがあっちゅー間にゾンビランドに。ひー(>_<)

ワールド・ウォーZ 4

しかし、この映画の群衆シーンはすさまじいものがあります。上空から俯瞰したパニックシーンなんて、戦場ドキュメンタリーを見ているよう。いったい何人のエキストラを使ったんでしょうか。一番驚いたのは、このパンデミックにいち早く対応してゾンビを防ぐためにイスラエルが築いた高さ数十メートルの壁にゾンビが殺到した結果、ゾンビが結果的に人柱のようになってゾンビが壁を乗り越えるシーン。この時の恐怖はただごとではありません。壁の中はあっという間に地獄絵図。その中からの脱出劇なんて迫力があり過ぎて、口を閉じて観る余裕がありません(゜o゜)

ワールド・ウォーZ 3

まぁワタクシにとって救いだったのが、見る前に心配していたゾンビに肉を噛み千切られて血がブッシューなんてシーンが皆無なこと。画面上ではそれこそ何万人も死んでいたでしょうが、そんなシーンがうまくカメラの構図のちょっとだけ外側で行われています。そのためにチキンハートなワタクシでも、目をつぶらずに見ていられます。まぁ不意をつかれてケツが椅子から浮かび上がるほど驚いたシーンも幾つかありましたけどね。映画の前にちゃんとおトイレに行っておいて良かったです(^_^;)

ワールド・ウォーZ 5

ただ、序盤・中盤のスケールの大きさから比べると、最後がちょっと尻すぼんでしまった感がありますね。敏捷なゾンビの設定はウィル・スミス主演の「アイ・アム・レジェンド」を思い起こさせますし、パンデミック時の人々のパニック心理はマット・デイモン主演の「コンテイジョン」には及んでいません。でも超大迫力の襲撃シーンをはじめ見どころはたくさんありますし、残虐なシーンもほどほどなために安心して見ていられる、実はなかなか優れた娯楽作品でありました。観て損は無し! 特にゾンビ映画であることが理由で見るのを躊躇している人は、安心して観に行ってくださいな(^^♪


JUGEMテーマ:映画の感想
Posted by けーすけ | comments(2) trackbacks(0)

心からの衝撃と感動と恥ずかしさ こうの史代著「この世界の片隅に」「夕凪の街 桜の国」

先日まで知らなかったことを恥ずかしいと思うのと同時に、遅ればせながらも先日出会ったことを心より感謝した本があります。それは2008年に単行本が発刊された、こうの史代さん作「この世界の片隅に」。ちょうど終戦記念日である15日(木)の夜に読了し、衝撃と感動と胸中に渦巻く想いで眠れなくなってしまいまして。ご存知の方は何を今さら、という感じでしょうが、もしまだご存知ない方には是非お読みいただきたいと思い、今回ご紹介させていただきます。

この世界の片隅に 前編
この世界の片隅に 後編
↑こうの史代著「この世界の片隅に」(前編)(後編) 双葉社

3編のプロローグを経て本編がスタートするこの物語は、浦野すずという女性が主人公。すずは第二次世界大戦真っ只中の昭和18年12月に広島の漁師町から呉にある北条周作に嫁ぎ、北条家の嫁としての新しい生活がスタートします。決して豊かとはいえないまでも、北条家の人達に受け入れられて充実した生活を送っていくすず。

こうの史代さんが描くこのすずと言う女性はとにかくチャーミング。広島弁で話しながら、笑顔を絶やさないというよりはいつでも自然に笑顔になってしまうこのすずを見ていると、“萌え”という表現すらアタマに浮かんでしまいます。スクリーントーンやベタなどを一切使わないこうの史代さんのファンタジックな作風もあいまって、すずが織りなしていく淡々としながらも楽しい生活風景は、戦時中のさまざまな制約のなかでも市井の人達は懸命に、そして幸せな生活を送っていたことをあらためて認識させます。戦争時の庶民の生活はひたすら厳しく辛いものでしかなかったというワタクシの先入観が崩壊していきます。

でも戦争の敗色が濃厚となっていくなかで、すずと北条家、実家の浦野家の幸せを生活を構成していくピースが、少しずつ、ひとつひとつ、一度にふたつみっつと着実に壊れていきます。それらを現実として受け止めざるを得ない戦時という異常な状況のなかで、庶民はそれでも懸命に生きていくのです。些細なことに幸せを見つけてそれを糧にしながら、生きていくしかないのです。

ところが我々は、昭和20年8月に広島で何が起こったかを知っている。この物語は、毎回「18年12月」「19年1月」「19年2月」と時の経過をしめす題名がついています。物語を読み進めていく毎に、時が着実に進んでいく。「20年8月」に近づいていく。それでなくてもどんどん酷くなる状況のなかで、幸せのピースが次々と壊れていくなかで、ページをめくる手の動きがだんだん辛くなってきて重くなってきて。

そして。








そもそもワタクシがこうの史代さんの本に出会ったのは、友達に借りた「夕凪の街 桜の国」という作品。原爆が投下された広島の10年後を舞台にした「夕凪の街」、1987年と2004年のと広島や東京を舞台とした二部構成からなる「桜の国」で構成された作品。これを読んだときは全身から力が抜けてしまい、しばし放心していたのはつい最近のことです。そしてその後amazonで入手して読んだのが「この世界の片隅に」でした。

夕凪の街 桜の国
↑こうの史代著「夕凪の街 桜の国」 双葉社

第二次世界大戦で日本がアメリカと戦ったことすら知らない若者たちが増えていることをマスコミが報じるたびに、ワタクシはそんな彼らのことを苦々しく思ってもいました。しかしワタクシだって実は何も知らなかった。いやむしろ、彼らより何十年も長く生きていて、深く知ることができるチャンスだって幾らでも作れたはずなのに、何も積極的に行動しなかったワタクシは事実から目を背けていたという点で若者たちより性質が悪い。こうの史代さんの作品を通じて、そのことを痛感しました。

ワタクシが住む神奈川県は、もし日本が降伏せずに本土決戦となっていたら、おそらくアメリカ軍が上陸しただろう地点のひとつ。もしそうなったら沖縄と同様の惨劇が、ワタクシの生まれ育った場所で繰り広げられていたことになったのは間違いありません。祖父や両親が被害を受けて、その後ワタクシが生まれることもなかったかもしれません。主戦場となった沖縄、原爆を落とされた広島・長崎、大空襲に襲われた東京・大阪・名古屋・横浜などにたまたま住んでいたがために、『死んでしまえば良い』と考えた人たちにより犠牲になった人達。彼らのことを、たまたまそこに住んでいなかったために難を逃れた人達、そしてその人達から生を受けた子や孫たちはきちんと認識しつづけなければならないと思うのです。

そんな当たり前のことをあらためて気付かせてくれた、こうの史代さんの「夕凪の街 桜の国」「この世界の片隅に」には心から感謝する次第です。両著ともご興味がある方は是非。


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Posted by けーすけ | comments(0) trackbacks(0)
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