映画「
ダークナイト」を観ました(^^)/
けーすけはどうもアメコミヒーローものが苦手でして。「ウルトラマンシリーズ」しかり「仮面ライダーシリーズ」しかり、どこか“影”や“ものの哀れ”を感じさせるヒーローもので育ってきたので、なんだか
アメコミヒーローの底抜けの明るさや能天気な感じがどうにも受け付けない。一つ一つのヒーローもののハナシをよく知っているわけではないので、まさに偏見の塊でしかないと我ながら思うのですけどね。
当然バットマンシリーズも今まで観たことは無し。「ダークナイト」も、何度予告版を観てもさしたる興味も出ず、という感じでした(^_^;)
ところが、様々なメディアで見るこの映画の評価がとんでもなく高い。けーすけの知人にも映画評論家として活躍している女性がいますが、辛口で有名な彼女の評価もなんと
10点満点中10点ですよ。えー? 何その高評価ー?? もしかしたら、これは観なければならない映画なのではないでしょうか! これが、アメコミヒーロー嫌いのけーすけがこの映画を観てみようと思った
ただ一つの理由です。カミサンを説得し、TVで放映していた「バットマン・ビギンズ」も観ました。準備は万全だわよッ(^^)v
ダークナイト(THE DARK KNIGHT)
映画『バットマン ビギンズ』の続編で、バットマンの最凶最悪の宿敵であるジョーカーの登場で混乱に陥ったゴッサムシティを守るべく、再びバットマンが死闘を繰り広げるアクション大作。監督は前作から続投のクリストファー・ノーラン。またクリスチャン・ベイルも主人公、バットマンを再び演じる。そして敵役のジョーカーを演じるのは2008年1月に亡くなったヒース・レジャー。シリーズで初めてタイトルからバットマンを外し、新たな世界観を広げたダークな展開に目が離せない。
※「Yahoo!映画 - 映画情報」より
…いっやー、
これマヂに凄い映画です…。あまりの凄さに、放心したように観入っていました…。観てヨカッタっつーよりも、これを観なかったとしたらホントにやばかったと思いましたね。
社会においてどんなシチュエーションでも、例えば会社でもそうですが、自分の行動・活動を自分が望むように評価されるということは難しい…というか、
もう殆どあり得ないわけです。むしろ自分のソレが裏目に出ることだってしばしば。ゴッサムシティを悪から救うため、別に特殊な能力を持っているわけじゃなく殆ど生身のカラダで、
私財を投げ打って悪と戦うこの大金持ちはそれで悩み苦しむのですね。こんなに金があるんだったら、もうちょっと違うやり方があるんじゃないのか…という素朴な疑問は、この際ちょっと置いといてね(^_^;)
なにせ、正義を愛するバットマンとしての自分の行動が、彼に挑戦しようというジョーカーという悪の権化を呼び込み、結果として
ゴッサムシティは犯罪率が急増し犠牲者があふれ返ることに。何より辛いのは、バットマンがジョーカーと対峙するために、街の秩序を守るために作られている法を少なからず破ることになってしまうことにより、バットマンは市民からも敵対視されてしまう立場になってしまうのですね。でも、それは別に
市民が彼の行動を“誤解”しているわけではないのです。個々の市民だって正義を愛しているのです。でも、個々の市民に訪れる結果が全てであり、その市民にとってはバットマンの行為が自分に平和をもたらしていない、それだけのハナシなのですな。
例えばウルトラマンは怪獣相手にホイホイ市街戦を挑んでいますが、「
へやっ」とか叫んで怪獣を投げ飛ばした先やスペシウム光線を放った先には多くの家やビルが建っており、きっとそこには
幸せな家庭が築かれているわけじゃないですか。それがウルトラマンの行為で木端微塵。いったい、そこに住む住民の損害は幾らになるんだか。避難だって間に合っていないかもしれません。大勢の人は怪獣が倒したウルトラマンに拍手喝采かもしれませんが、
そこの住民は悲しみの底に。きっと、戦う場所をどこかの山奥に移動させることもなくこんな街中で思う存分戦ったウルトラマンを、激しく憎悪するんじゃないでしょうか。
あのM78星雲からやってきたデカいヤツが、自分は良いことをしているつもりなのに「
お前さえ来なければ…」と恨まれていることを知ったら、
激しくうろたえること間違いなし! その点、怪人と戦うときは何故かいつも広大な空き地だった仮面ライダーはエライですよね、はい。
そんなウルトラマンの苦悩はどうでもいいんですが、ゴッサムシティのためには自分なんていない方がいいのでは? …ジョーカーの登場によって、
そういう矛盾にバットマンは追い詰められていくのです。そして、ジョーカーと戦うために、その矛盾を振り払いながらどんどん禁断の世界に踏み込んでいくのですが、それは正義を守るために仕方が無いことなんだ、
あくまで自分は正しいんだ、と自分に言い聞かせている。彼に従う人間にもそう言い聞かせている。それって、
まさにアメリカそのものの姿じゃないですか。そのあたりの描写がこの映画は本当にスバラシイ!ヽ(^。^)ノ
また、ジョーカーを演ずるヒース・レジャーがとんでもない演技を見せます。
鬼気迫るとは、まさにこのこと。観客は狂気の世界をヒース・レジャーに存分に見せつけられ、ゴッサムシティの住民に負けないほどヘロヘロになります。彼はその後急逝したわけですが、もう彼のジョーカーを観られないかと思うと、
本当に惜しい俳優を亡くしたものです。因みにこのジョーカー役はジャック・ニコルソンが有名。でも、前述したように以前のバットマンシリーズはまったく観たことがないので比較のしようが無いし、するつもりも全くありませんが、彼がどのようにジョーカーを演じていたかは興味が出てきました。TSUTAYAに行こうかなあ。
悪の撲滅に邁進するハービー・デント検事を演ずるエーロン・アッカートも、フェリーに乗り合わせる人間たちも、
その心に善悪をあわせもつ人間の脆さを好演しています。本音の裏に潜む建前の醜さを見せつけます。ほんのひと押しすれば、誰でも奈落の底に一気に転落する…とは、映画中のジョーカーのセリフですが。
んもう、
ストーリーは文句のつけようがありません。2時間30分の映画ですが、二転三転するストーリーに150分なんてあっという間だったような、この狂気の世界が永遠に続くような気がしたような、不思議な時間を過ごしました。また、
新しいバットモービルのカッチョいいことカッチョいいこと。この少年の心を持つオッサン(恥ずかしー)のハートをぎゅっと鷲掴みにして離しませんでしたよ! フィギュアでも買おうかしらん。でもカミサンが「
またこんな邪魔くさいもん買って!」と煩そうだしな…(>_<)
↑ググってみたら出てきたけど…。なんと値段は49,000円! 長さ73cm! はい、無理!
※
「HOT TOYS JAPAN」webサイトより
つーわけで、その評判通り大傑作でした、この「
ダークナイト」! そりゃポニョもいいかもしれないけど、この映画も絶対に、絶対に観た方がいいですよ!! もしこの映画を観て満足できなかった人がいたら、
このワタクシが代金を返そうじゃないか!(ウソだけど) 前作の「バットマン・ビギンズ」を観ていなくても全然大丈夫ですから、ましてや上映が終わりそうな気配が漂ってきたから、今すぐ映画館にGOだ!(^o^)丿
…あ、そういえば「ダークナイト」とは「THE DARK KNIGHT」じゃなくて「
THE DARK NIGHT」だと思っていました。映画の最後の最後に題名を読むまでは、“暗黒の騎士”じゃなくて“暗黒の夜”だと。
ワタクシってアホ? でも、こう思っていた人は相当多いですよね!(←自分に言い聞かせている)